GODMODE
2026.08.29
ツール

DeepSeekがモデルではなく土台を公開。なんと15日で20万スター

画像: GitHub / DeepSeek

AIの会社が世に問うものといえば、これまでは新しいモデルだった。ところがDeepSeekが8月13日に公開したのはモデルではなく、エージェントを実際に働かせるための土台のほうだった。名前は「DeepSeek Harness」。中身はモデルもツールも画面も全部が差し替えられる部品でできている。15日で20万スターが付いた。GitHubは世界中の開発者がソフトを公開して持ち寄る場所で、スターはそこで押される「これは見ておく」の印だ。エージェントの土台を丸ごと開くと、何ができるようになるのだろうか。

DeepSeek Harness

  • 公開:2026年8月13日。ライセンスはMITで、開発者向けの試験公開という位置づけ
  • 反応:GitHubで200,403スター、22,919フォーク。Hacker Newsで747点・314コメント
  • 起動npx @deepseek-ai/dsh web で自分のパソコンの3080番に画面が開く
  • 中身:モデル、ツール、skills、サンドボックス、記録、UIまですべてがプラグイン

エージェントの「土台」とは何か

モデルだけではエージェントは働けない。周りの環境を理解し、道具を使い、失敗しても作業をつづける部分がいる。DeepSeekはその部分をharness、日本語なら土台と呼び、そこを公開した。

公式ページは「エージェント=モデル+土台」と書いている。モデルはエージェントの魂で、土台は現実の環境で働かせつづけるための仕組みだ、という切り分けになる。

DeepSeekはモデルの会社として知られてきた。そこが今回出したのは、モデルではなくその周りだ。しかも土台の側から見ると、モデルは差し替え可能な部品のひとつになる。自社のモデルに縛る作りにはなっていない。

すべてが差し替えられる部品でできている

モデル、ツール、skills、セッション、サンドボックス、保存先、実行の繰り返し、予定管理、画面まで、この全部がプラグインとして分かれている。

DeepSeek Harness のプラグイン構成図
画像: DeepSeek

土台にしているのはCordisというプラグインの仕組みで、その設計は論文にまとめられている。Cordisの中核がプラグインの取り付けと取り外し、依存関係の面倒を見る。エージェントの能力そのものは、その上に乗る部品の側にある。

差し替えは設定を書き換えるだけで済む。本体のソースには手を入れない。使う人が、自分の用途に合わせて組み直せるようにしてある。

何が起きたかを全部さかのぼれる

モデルが見たものは、すべて追記だけの記録に残る。指示文も、推論も、道具の呼び出しと結果も、子エージェントの割り当ても、途中で差し込まれた情報も残す。

Trajectory ビューで実行の記録をたどる画面
画像: DeepSeek

Trajectoryという画面で、その記録を出所ごとに開いて確かめられる。途中から再開する、枝分かれさせる、検索する、もう一度再生する。この4つが同じ記録の上で動く。

エージェントが何をしたのか後から追えないという不満は、この1年ずっと続いてきた。土台の側でそこを引き受けた形になる。

4つの動かし方から選ぶ

同じ土台の上に、目的の違う4つのモードが載っている。用途に合わせて選ぶ。

Standardはファイル編集、シェル、ファイルとウェブの検索、skills、計画、目標、子エージェント、作業手順まで入った全部入り。Codeはそこに専用のSDKを足し、複数の手順をモデルがTypeScriptのプログラム1本にまとめて実行する。Minimalは永続するbashとファイル編集の2つだけに絞る。モデルの実力を最小の環境で測るためのモードだ。Creatorは動いている中身を覗き、部品をその場で試し、新しいモードに組み上げるためにある。

Node.jsを入れてnpx @deepseek-ai/dsh webと打つと、自分のパソコンの3080番に画面が開く。ソースから動かすなら、リポジトリを取ってきてビルドする。

ただし試験公開の段階で、互換性を壊す変更が入るとリポジトリが大文字で断っている。安全上の注意を読んでから動かすようにも書かれている。

15日で20万スターが付き、フォークは2万3千に近づいた。エージェントの土台をどう作るかという議論が、部品の差し替えという形で一気に広がっていきそうだ。


出典