カリフォルニアで買ったスマートフォンは、これから初期設定の画面で生年月日を尋ねてくるかもしれない。州議会は8月27日、この確認をアプリごとではなく基本ソフト側でおこなうよう義務づける改正案を可決した。ただし、誰でも複製して書き換えて配れるライセンスで公開されているもの、つまりLinuxのような基本ソフトには、この義務がかからない。
生年月日を入れるのはアカウントを作るときの一度だけだ
デジタル年齢保証法(Digital Age Assurance Act)は、アプリの一つひとつではなく、端末を動かす基本ソフト側で利用者の生年月日か年齢を聞くよう求めている。アプリへ渡るのは生年月日そのものではなく、13歳未満、13歳以上16歳未満、16歳以上18歳未満、18歳以上という4つの区分のどれに当たるかだけだ。アプリ側は、届いた区分を見て表示を切り替える。改正の条文は、州議会の法案ページに載っている。
年齢をアプリごとに確かめる形だと、利用者はアプリを入れるたびに生年月日を入れ直し、開発者はアプリごとに利用者の生年月日を預かって守る責任を負う。基本ソフト側の一か所で聞けば、利用者は端末のアカウントを作るときに一度入れれば済み、開発者は生年月日そのものを預からずに済む。カリフォルニア州は、後者を選んだ。
外れるかどうかはライセンスで決まる
AB-1856は、義務を負う相手をライセンスの条件で線引きした。受け取った人が複製し、再配布し、書き換えてよいという条件で配っているなら、その配り手は法律のいう「基本ソフトの提供者」に当たらない。
Linuxや、そこから派生した基本ソフトは、まさにこの条件で配られている。世界中の有志が持ち寄って書き、誰でも中身を書き換えて配り直せる。線引きを決めるのは会社の有無ではなくライセンスの文面だ。Red HatやCanonicalのように会社が配っていても、条件さえ満たせば同じく外れる。
同じ線引きは基本ソフトだけに効くのではない。条文は基本ソフトとアプリを並べて書いているので、同じ条件で公開されているアプリの作り手も、この義務を負わない。線引きがなければ、趣味で基本ソフトやアプリを配る個人まで、利用者の生年月日を預かって年齢の区分を返す仕組みを載せることになっていた。
アプリごとに生年月日を預ける形をやめて、端末に一度だけ聞く形へ寄せる。この仕組みが動き出すのは2027年1月1日で、同じ線引きをまねる州や国が続くかどうかは、そこから見えてきそうだ。
出典
- AB-1856 Age verification signals: software applications(カリフォルニア州議会 法案ページ)(議事記録の最終更新2026年8月27日、2026年9月1日確認)
- AB-1856 条文(2026年8月21日 上院修正版)