博物館のガラスケースの向こうにある品を、自分の手で回しながら、その品について質問できたら。グーグルは9月24日、それをブラウザの中で試せる無料の実験「The Talking Museum」を公開した。
収蔵品を書斎に呼び出す
グーグルの発表によると、「博物館の品が話せたら?」という問いから、この実験は始まった。
画面には、世界の博物館や研究機関の収蔵品が並ぶ。先史時代から現代までの品が、190点を超える。大きさや素材、時代で絞り込み、気になった1点を選ぶと、ブラウザの中に再現された自分の「書斎」に運ばれてくる仕組みだ。
呼び出した品を拡大して細部をのぞきこんだり、ぐるりと360度回して眺めたりできる。そのあいだ音声で解説し、質問に答えるのは、グーグルのAI「Gemini」だ。品によっては見どころに印がついていて、そこに絞って質問することもできる。
大英博物館からNASAまで
収蔵品を提供しているのは、グーグルの文化サイトに協力する博物館や研究機関だ。大英博物館、ベルサイユ宮殿、ベルリンのペルガモン博物館、スミソニアンの航空宇宙博物館、NASAなどが参加している。
編集部で試してみた
編集部で9月26日に試したところ、一覧には199点が並んでいた。パナマで5〜8世紀に作られた金のペンダント(クリーブランド美術館所蔵)を選ぶと、品が台の上に置かれ、Geminiが英語で話しはじめた。人の体に鹿の角があり、肩からはヘビが出ている。この姿は何を表しているのか、と語りかけてくる。
画面には英語の質問が3つ用意されていた。「人と鹿とヘビを組み合わせた姿は、この古代パナマの文化の自然観をどう映しているか」を選ぶと、答えは「シャーマンの変身を表している。動物の俊敏さや力、霊的な力を身につけた姿だ」。回答が終わると、次の質問が新たに3つ並んだ。
自分の言葉で聞くときは、マイクのボタンを押して声に出す。文字を打つ欄はなかった。解説と用意された質問は、どちらも英語だった。
並べ直す記憶ゲームも
グーグルは9月24日、もうひとつの実験「Museum Memory」も公開した。展示室のどこにどの絵が掛かっているかを覚え、ばらばらになった絵を元の場所に掛け直すゲームだ。
グーグルは教室向けにも、画面で動かしながら学べる教材をAIで作る取り組みを進めている(既報)。
気になる収蔵品を書斎に呼び出し、マウスでゆっくり回しながら、マイクのボタンを押して気になったことを声に出す。グーグルは、博物館の品とこんなふうに話す鑑賞のしかたを用意した。
出典
- Turning cultural artifacts into interactive learning companions(Google、2026年9月24日)
- The Talking Museum(Google Arts & Culture、2026年9月26日確認)