今日の知識を装備する

ハーバード大の調査で見えた、AIを使う力の男女差

Photo: Harvard Kennedy School Shorenstein Center

仕事でAIを使いこなす力が、評価や昇進を左右しはじめている。では、AIを学ぶ機会は、男女に同じように開かれているのか。ハーバード大ケネディ・スクールの研究チームが10月14日、米国でAIの使い方に男女の差がどれほどあるかを調べた報告書を公開した。

研究チームが7月に米国の成人5,403人に聞いたところ、AIを日常的に使っている人は、男性の25%に対し、女性は16%だった。一度も使ったことがない人は、女性が29%、男性が22%。差は、学歴や収入が高い層ほど大きかった。調査の資金は、メリンダ・フレンチ・ゲイツが立ち上げた団体Pivotalが出している。

差は職場の支援にも表れていた。働いている人のうち、職場にAIの研修が何もないと答えた人は、女性が64%、男性が49%。周りにAIの使い方を教えてくれる人がいると答えたのは、女性が34%、男性が48%だった。報告書は、職場に研修があったり、使い方を教えてくれる人が周りにいたりする人ほど、AIをよく使い、自信も持っていると分析する。

AIについての12問のテストでは、正解の数は女性が平均6.3問、男性が7.1問だった。ただ、間違えた数は女性が1.6問、男性が2.0問で、女性のほうが少ない。女性は「わからない」を選んだ数が平均4.0問と、男性の2.9問より多かった。

AIを語る専門家としてニュースに登場するのも、男性が多い。2025年7月から2026年6月までに米国で出たAIの記事7万8,542本を調べると、引用された専門家の70.1%が男性で、女性は16.2%だった。

報告書は、男性の自信の強さを示す結果も挙げている。AIの分野で影響力のある12人の名前に、実在しない2人の名前を混ぜて見せたところ、架空の2人を「知っている」と答えた男性は53%にのぼった。OpenAIの元CTO、ミラ・ムラティを知っていると答えた男性の割合と同じだった。