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AIエージェントがボタンを探さなくなる。 グーグルの新規格WebMCP

Photo: Chrome for Developers

AIエージェントに買い物を任せると、いまは人の手つきをまねている。画面を見て、それらしいボタンを探し、順に押していく。ボタンの位置や名前が変われば、そこで止まる。グーグルが公開した「WebMCP」は、サイト側が操作の手順をあらかじめ用意しておく仕組みだ。探す工程がなくなると、何が変わるのだろうか。

WebMCPは2026年5月18日にChromeの開発者向けサイトで公開され、8月7日に内容が更新された、いまも提案段階の仕組みだ。

WebMCPとはどんな仕組みか

WebMCPは、サイト側が「決済」や「検索」といった操作をあらかじめツールとして登録し、エージェントがその手順どおりに呼び出せるようにする仕組みだ。ボタンの意味をエージェントに推測させていた、これまでの動き方とは異なる。

従来の方式は、人と同じように画面を操作するというものだ。人間がボタンを押したり文字を入力したりする動作を、エージェントがマウスとキーボードでそのまま再現する。単純なクリック一つならまだしも、決済のような複数ステップの作業になると、各ステップをエージェントが自分で解釈しなければならず、誤操作の余地が残る。

WebMCPが変えるのは、この解釈だ。ページ側が checkout や filter_results といった操作をツールとして登録し、何を渡せば何が返ってくるかも、あわせて決めておく。エージェントは画面上の要素の意味を推測するかわりに、決められたとおりにツールを呼び出せばよい。ページがいまどの状態にあるかも合わせて渡されるので、その時点で何を操作できるかが分かる。Chromeの開発者向けサイトは、この仕組みなら、エージェントが操作を取り違えたり途中で止まったりしにくくなるとしている。

AIエージェントの決済や予約は何が変わるか

複数都市・複数人の複雑な旅行予約や、決済をともなう申し込みフォームも、エージェントが少ない手順で完了できるようになる。お金が動く場面では、本人に確かめる画面を出せる。

用途としてまず挙げられているのは、カスタマーサポートだ。複雑な問い合わせフォームを抱える企業でも、エージェントが利用者から聞き取った情報をもとに、適切なフォームへ素早くたどり着いて入力できるようになるという。

具体的なツールの例として、申し込みフォームに入力するsubmit_applicationや、日付と時間を選ぶdate_pickが紹介されている。氏名を一つの欄にまとめて書くのか、姓と名を分けるのかといったフォームごとの違いを、ツール側であらかじめ定義できる。

WebMCPはいつ使えるようになるか

WebMCPはいま、提案書(Explainer)と試験公開(Origin trial)の段階にある。すべてのブラウザで動く保証は、まだない。

ウェブの機能がどこまで使えるかは、Baselineという指標で表す。Chrome、Edge、Firefox、Safariの4つすべてで動いて初めて、対応を気にせず使える段階に入る。WebMCPはまだその手前で、Chromeが試験公開の枠組みで検証をすすめている。

WebMCPが目標に掲げるのは、Chrome以外のブラウザでも同じやり方でサイト側が手順を用意できるようにすることだ。サイト側の対応が増えれば、エージェントは画面を探すのをやめ、渡された手順どおりに動くようになりそうだ。

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