試験勉強で効果的なのは、過去問を大量に解いていくことだ。知らないことを炙り出せるし、記憶の定着にもつながる。だが、問題集は決して安くはないし、暗記帳をつくるのも時間がかかる。そんな悩みにこたえられるのが、Gemini Notebook(旧NotebookLM)だ。単語帳だけでなくクイズや音声・動画の解説まで作れてしまうのだ。
教材作りや復習を果たしてどこまで任せられるのか、今回はFP3級の過去問で試してみた。できた教材と実際の手順を見ながら、自分が受ける試験でも使えそうか考えてみてほしい。
あっというまに単語帳ができた
今回選んだのは、日本FP協会が無料で公開しているFP3級学科試験の過去問だ。2026年5月公表分のPDFには60問と正解が載っており、年金や保険、税金、不動産、相続など暮らしに関わることが出題されている。
Gemini Notebookを開いて新しいノートブックを作り、PDFをアップロードすると、10秒ほどでノートブックに「2026年5月 FP技能検定3級 学科試験」という名前が付き、日本語の要約が表示された。教材を作るメニューで単語帳を選び、設定を変えずに作成ボタンを押すと約1分で57枚できた。
1枚目はFPが投資助言をするために必要な登録先を答える問題で、裏返すと「内閣総理大臣(金融商品取引業者としての登録)」とある。過去問の問1で問われた内容で、ほかのカードも過去問の番号順に並んでいる。
単語帳の1枚目は、表を見て答えを思い浮かべてから裏返して確かめる
カードは表を見て答えを思い浮かべてから裏返し、答えを確かめる。間違えたら✕、合っていたら✓を押すと次のカードへ進む。復習機能を試すために最初の57枚のうち8枚に✕を付けてみると、再開メニューからその8枚だけを選んでもう一度練習できた。紙の単語帳のように、復習したいカードに付箋を貼っておく必要もない。途中で画面を離れて開き直すと、3枚目まで進んだところから再開できた。最初に試したときは進捗が残らず、1枚目に戻っていた。
クイズも作ってみると、四択問題が15問できた。1問目は国民年金の学生納付特例制度で誰の所得が条件になるかを答える問題で、「学生本人のみ」を選ぶと「That’s right!」と表示された。画面のボタンや表示は英語だが、作られる教材と解説は日本語だ。選んだ答えだけでなく、選ばなかった3つにも解説が付く。たとえば「世帯主の所得が問われるのは、全額免除や一部納付の制度であり、学生納付特例には適用されません」と説明されていた。
次の問題でわざと間違えてみると、選んだ不正解の答えは赤、正解は緑で表示された。「Explain」を押すと過去問の問6を引用した解説が日本語で返ってきた。
わざと間違えたクイズでは、選んだ答えが赤、正解が緑で示され、それぞれに解説が付く
音声や動画解説も簡単
音声は試験直前の受験者向けに、間違えやすい数字を中心に解説するよう頼んだ。6分ほどで1分43秒のポッドキャスト番組が完成した。動画は相続・事業承継の問題に絞り、数字を間違えないためのポイントを整理して解説するよう頼んだ。こちらは完成まで約20分かかった。
動画では過去問の内容に沿って、手描き風の絵を交えたスライドが進む。相続人が財産を受け取る割合を表で示し、贈与や生命保険についても解説していた。できた音声と動画は以下の通り。
「FP3級試験の引っかけ数字対策」(Gemini Notebookで生成、1分43秒)
「FP3級 相続・事業承継 攻略」(Gemini Notebookで生成、7分49秒)
数字を覚えるための一覧表も作ってみた。過去問に出てくる数字を分野別に整理して1枚にまとめるよう頼むと、約2分で「FP3級 重要数字マスターシート」ができた。一覧表にはクーリングオフの期限である8日以内という数字や、付加年金の年額を200円×納付月数で求める計算式が載っている。こうした数字や計算式が6分野にわたって1枚に収まっている。
「FP3級 重要数字マスターシート」(Gemini Notebookで生成)
今回使ったのは有料プランのGoogle AI Proで、教材を生成している間も単語帳で復習したりチャットで質問したりできた。作った教材はファイルとして保存できる。単語帳からクイズ、音声、動画、一覧表まで7回生成し、チャットで2回質問した時点で、5時間ごとに戻る枠を21%、週の枠を1%使っていた。この日の分量なら上限には遠い。
ただし、間違えることも
単語帳には間違いも混じっていた。所得税の基礎控除額を答えるカードが、旧制度の「48万円」になっていた。元の過去問は現行の58万円を前提にしているのに、「Explain」を押すと過去問を引用しながら48万円でよいと説明し、「教材に書いていない知識は使わないでください」と頼んで作り直しても変わらなかった。頑固だ。
次は自分の試験対策で
今回はFP3級で試したが、次に受ける試験の過去問や教科書がPDFで手元にあるなら、まずは単語帳を作ってみてほしい。
教科書や参考書のデジタル版があれば解説させればいい。いってみればGemini Notebookはどんな教科にも対応する万能の家庭教師だ。資格は取りたいが、忙しくて勉強する時間がない。そんな言い訳ができない時代になってしまった。
出典
- NotebookLM is now Gemini Notebook(Google The Keyword、2026年7月16日)
- Gemini Notebook でフラッシュカードまたはクイズを生成する(Google ヘルプ、2026年9月20日確認)
- 3級学科試験(2026年5月公表分)、試験問題の利用について(日本FP協会)
- No.1199 基礎控除(国税庁タックスアンサー、2026年9月20日確認)
- 実演記録: 2026年9月20日、Google AI Pro、Chrome。runs/run-log.md、runs/outputs/