開発途中の映像をSNSで見ながら、インディーゲームの発売を待つ人は多い。いま、その映像を見せることをためらう開発者が出てきている。
日本のゲーム会社アライアンスアーツは、開発中の『Drunken Goddess Reflux』の体験版を、10月19日に始まったSteamの体験版イベント「Steam Next Fest」で一般に公開する予定だった。悪魔を相手に、ロシアンルーレットで酒を飲み比べるゲームだ。同社は16日、公開をやめ、参加者を限った非公開のオンライン試遊会に切り替えると発表した。
理由は二つある。一つは、動画の投稿や配信にルールを設けて公開するつもりだったが、いまの人数では、ルールが守られているかを見ていくことができないと判断したこと。もう一つは、体験版の演出や遊び方がAIなどですぐに模倣され、似た作品が自社のゲームより先に発売されるおそれがあることだという。
実際にまねされた開発者もいる。ゲーム開発者のフレイヤ・ホルメールは3月、ブロックを置くたびに盤面が90度回る、テトリスに似たゲームを試作し、その様子を50秒の動画にしてSNSに投稿した。約39時間後、ホルメールは「もう誰かが、これの(できの悪い)コピーをバイブコーディングで作って公開している」と書き込んだ。米メディアの404 Mediaによると、ホルメールが見つけた似た作品は最大で4本ある。その一つ『Rotris』を作ったチャーリー・グリーンマンは、「指示を何回か出して、1日ほどで作った」と取材に答えている。
まねされたと訴える開発者は、ほかにもいる。釣りゲームを開発中のある開発者は、まったく同じ名前の作品が、生成AIを使ってSteamに出たと訴えている。2017年に『Golden Krone Hotel』を出した開発者は、同じステージ、同じ文章のまま作り直したゲームが売られていると書いた。そのゲームのSteamのページには、開発にAIで作った素材を一部使ったと書かれている。
『McPixel』の作者ソス・ソソウスキは、9月にこう投稿した。「ゲームを見せなければ売れない。見せれば盗まれる」
『Papers, Please』のルーカス・ポープも、作っているゲームの話をしなくなった。4月に公開された番組で、こう話している。「作っているものの話は、もうしない。AIに吸い取られるかもしれないし、誰かにまねされるかもしれないから」
