買い物の注文や経費の精算をAIに頼むことができるようになった。ところが、どのAIも必ず同じところで止まる。ログイン画面だ。
AIはそこで、本人に代わって入るためのパスワードを求めてくる。利用者に残された手は二つだった。AIの操作を自分に戻し、そのたびにサイトでIDとパスワードを打ち込むか、チャットにパスワードを貼るかだ。1Passwordは10月22日、この二択をなくす「1Password for Agents」を発表した。
仕組みはこうだ。AIがログイン画面に行き当たると、AIのアプリが、1Passwordに保存したどのアカウントの情報が必要かを利用者に尋ねてくる。利用者は1Passwordのアプリで、求められているアカウントを確かめて承認する。すると1Passwordが、サイトの入力欄にIDとパスワードを直接入れる。AIにはパスワードも、ワンタイムパスワードも渡らない。
同社が挙げる使い道は、毎週の買い物リストをInstacartの注文に変えることや、出張の領収書を精算書にまとめることだ。パーティーの招待状を作り、出欠を集め、予算の範囲で買うものを探す、といった一連の用事も頼むことができる。AIが入ることができるのは、利用者が承認したアカウントだけだ。
連携する相手として挙がっているのは、メタのMuse、アンソロピックのClaude Duet、OpenAIのChatGPT WorkとDots、SpaceXSIのGrok Bot、TownのTownieだ。MuseとGrok Botは数日のうちに順次提供し、Claude DuetとChatGPT Work、Dotsは近日中とされている。このほかPerplexityやRamp、Browser Useとの連携も準備中だという。
1Password.comの個人向けと家族向けの契約なら、追加の料金はかからない。欧州とカナダのアカウントは、いまのところ対象外だ。何が渡るのかは利用者が見て承認し、連携はいつでも切ることができる。
ブラウザに保存したパスワードや、メモに書き写したパスワードは、AIが取り出すことができない。1Passwordによると、ログイン画面に着くたびにAIが待ち、利用者が自分でサインインするまで作業が止まるという声が届いている。
