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Blenderを知らなくても3Dの部屋ができた。Claudeの開発者がコードを見ずに作ったもの

Photo: Felix Rieseberg(ブログ掲載の、完成したホームページの画面)

1Source

フェリックス・リーズバーグ2026.09.27

アンソロピックでClaudeの開発に携わる本人が、3Dソフトを使わずClaudeに作らせた3Dの部屋のホームページと、その作り方をブログで公開

2Facts

最初の注文からいまの部屋の形ができるまで
39分
Claudeが書いた部屋のスクリプト
約3000行
同時に進めた作業
約60件

3Action

Claudeに好きなポスターや映画を見せて案を何通りも出させ、気に入った案には「同じ方向で、あと5案」と頼む。

3Dソフトの使い方を知らない人が、AIに頼むだけで、細部まで作り込んだ3Dの部屋を作り上げた。作ったのは、アンソロピックでClaudeの開発に携わるフェリックス・リーズバーグだ。9月27日、自身のブログでその作り方を明かした。

90年代の記者の部屋

リーズバーグが作り直したのは、自分のホームページだ。訪れた人は、90年代のドイツ映画に出てくる記者の部屋に入っていく。机の上には、電話帳の上に置いた留守番電話、名刺入れ、フロッピー、ポケベル、ディスクマン、ウォークマンが並ぶ。80年代のベージュのパソコンには、緑に光るブラウン管がのっている。棚のVHSテープは、1本ずつがこれまでの仕事を紹介するページになっている。

本人によると、Blenderの使い方はまったく知らない。Claudeは3DソフトのBlenderの画面を操作せず、Pythonスクリプトを書いて動かした。机も、テレビとビデオデッキも、パソコンも、部屋そのものも、ほとんどをClaudeが3Dモデルで作った。部屋を組んだスクリプトは約3000行になった。

窓の外には、ベルリンの夜景の写真が広がる。Claudeは写真から奥行きの地図を作り、写真に明かりを加えた。電車はビルの陰に隠れながら走る。

最初の注文から39分

本人によると、デザインチームに頼むときと同じように進めた。90年代のクラブイベント(レイブ)のポスター、好きな映画、心に残った広告を並べ、10件の作業を同時に進めて案を探らせた。気に入った案が出ると「同じ方向で、あと5案」と頼んだ。

VHSテープを作品に見立てる案は、Claudeが出した。リーズバーグはその案に、自分が思い描いていた記者の部屋を組み合わせた。最初の注文から39分で届いた2案目には、すでにいまの部屋の形ができていたという。仕上がるまでに、Claudeに約60回手直しさせた。

ヘルツォークのペンギン

リーズバーグがいちばん気に入っているのは、ペンギンの映像だという。ヴェルナー・ヘルツォーク監督のドキュメンタリーに、群れを離れた1羽のペンギンが、ひとりで山のほうへ歩いていく場面がある。そのパロディを、Claudeに3DCGで作らせた。

本人によると、Claudeはまず映画の視覚効果(VFX)の職人のように、元の場面を8つのカットに分けた。カメラの揺れを1コマずつ追い、雪も山も砂利もペンギンも、Blenderの中にコードで組み立てたという。映像は2787コマ、116秒ある。さらに、氷の上の机とパソコン、ペンギンの行く手に並ぶ企業の旗を足した。旗は、本人がこれまで働いてきた会社の数だけある。

サイトで流れる3曲も、Claudeが作曲し、音を仕上げた。リーズバーグは音楽の作り方を知らない。伝えたのは「これはいい」「もっと落ち着かせて」だけだったという。

自転車の上から指示を出す

本人によると、コードを手元で動かしたことは一度もない。Claudeは作業ごとにクラウド上の専用コンピューターを使い、同時に約60件を進めた。作業のたびに、確認用のページが届く。リーズバーグはそれを、パソコンでもスマホでも見た。

自転車に乗っていて思いついたことは、その場でClaudeに送った。出来上がったものを見るのは、次のコーヒー休憩のときだったという。こうした指示の多くは、スマホから出していた。

リーズバーグは、Claudeが書いたコードを読んでいない。かわりに、問題を見つける役を任せた別のClaudeたちに、サイトを何度も点検させた。1つの作業でClaudeが書くコードは完璧ではない。それでも、複数のClaudeに互いの仕事を点検させれば自分の基準を満たせる、と本人は書く。

写真が生まれたころ、詩人のボードレールは「画家になりそこねた者の逃げ場」と写真をけなした。リーズバーグはこの話を引いて、自分も技術が足りないか、怠け者なのかと自問する。それでもこの部屋は、ブログを書く48時間前に思い描いたとおりの姿をしている。友だちに見せるのが楽しみだという。

出典