Google Researchは9月17日(米国時間)、教師が指定した単元に合わせて、AIが操作型教材を生成する仕組み「Learning Interactives」を発表した。あわせて、物理、化学、生物、数学などを扱う中高生向けの英語教材30点超を公開した。いずれもAIが生成し、教師が内容を確認したものだ。
教師が単元を指定すると、AIが学習目標を提案する。教師がその内容を修正・承認すると、目標に沿ったシミュレーション型の教材ができあがる。生徒は画面上のボタンやつまみを動かし、結果の変化を見ながら問題を進めていく形だ。たとえば地学では、「雲の量が気温にどう影響するか」といった学習目標を扱う。
教材は、段階的に難しくなる複数のレベルに分かれている。各レベルには、前提知識を振り返る導入、公式や理論をまとめた道具箱、段階的なヒント、正解・不正解の理由、解き方の例が用意される。教材はこうした情報で、生徒が自力で答えにたどり着けるように導く。
公開されている教材は英語のみで、日本語版は発表されていない。公開ライブラリへのアクセスにはGoogleアカウントでのログインが必要だった(編集部が9月19日に確認)。
グーグルは、教材の生成に「Generative UI」と呼ぶ技術を使っている。あらかじめ用意した画面を表示するのではなく、教材ごとにAIが操作画面を組み立てる技術で、グーグルはこれを学習用に調整した。生成後は、各レベルが学習目標を段階的に扱っているか、ボタンが動くか、問題を解けるか、画面に不要な要素がないかをAIが検査する。条件を満たさなければ、教材を作り直す。問題を解けるかの検査では、AIが生徒のように画面を操作する。つまみを極端な値にするなど、想定外の操作も試す。
公開した教材は、すべて教師が内容を確認して承認したものだ。英国で理数系の教科を教える教師が教材40点を評価したところ、総合評価は「良い」または「非常に良い」だった。なかでも、物理と化学の教材がシミュレーションに向いていると評価された。別の調査では、米国の教師12人が、それぞれ自分の授業向けに教材を3件ずつ生成するよう依頼し、その質を10点満点で平均8点と評価した。ただし、いずれも教師が教材を見て付けた評価で、生徒の学習効果を測ったものではない。グーグルは、教室で使った場合の学習成果や生徒の関与を調べる研究を今後おこなうとしている。
Google Workspace for Educationを利用する学校は、試験プログラムに申し込める。参加校の教師は、自校の単元に合わせた教材の生成を依頼できる。生成された教材は依頼した教師が確認し、承認したものだけがライブラリに加わる仕組みだ。
出典
- The future of practice: Enabling teachers to create learning interactives with generative UI(Google Research、2026年9月17日)
- Learning Interactives library(Google Research、2026年9月19日確認。閲覧にはGoogleアカウントのログインが必要)