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iPhone Airの設計者「AIがあるのに、キーボードで打ち込んでいる」

Photo: Hark

スマホの通知は、やるべきことを教えてくれる。だが請求書を払うのも、使わなくなったサブスクを解約するのも、最後は自分の手だ。10月6日に無料で公開されたアプリ「Hark Pro」は、知らせるだけでは終わらない。

開発した米国の新興企業Harkによると、たとえば映画のチケットを頼むと、Hark Proはよい席を探して買う。それで終わりではない。映画館に近い駐車場を調べて予約するかを尋ね、予約すれば駐車場に入るためのQRコードまで送ってくる。次にすることは一度に並べず、ちょうどいいときに一つずつ知らせるという。

頼まれていないことにも気づく。Harkが挙げる例では、ある学生が昼食代の支払いに使うカードの残高が切れかけているのをHark Proが見つけ、本人にその週のうちに入金するよう知らせた。利用者が任せれば、入金までHark Proが済ませる。アプリのホーム画面には、片づけるべき用事が文で並ぶ。請求書の支払いや、使っていないサブスクの解約なら、その文の中の「支払う」「解約」という言葉を押すだけで済む。

Harkのデザイン責任者アビドゥル・チョウドリーが米テッククランチの記者に自分のスマホで見せたデモでは、Hark Proのほうから、承認を待っている経費、返事をしていないメール、その記者との取材の予定を知らせ、出張の航空券を取るよう促してきた。チョウドリーによると、同僚の車の登録を更新する時期が来ていると気づき、州のサイトで更新の手続きまで済ませたこともあったという。

利用者は先に、メールやカレンダー、クレジットカードなどをHark Proにつないでおく。手続きをするのは、Harkが自社のクラウドで動かすコンピューターだ。ブラウザを最大6つ同時に開き、利用者に代わってサイトにログインする。その操作の様子は、アプリの画面の小さな窓に映る。ほかの多くのAIは見せない部分だが、正しく動いていると信じてもらうためだとチョウドリーは説明する。好みも覚える。マヨネーズが苦手なこと、いつも窓側の席を選ぶこと。忘れてと頼めば忘れるという。

Harkを1年足らず前に立ち上げたのは、人型ロボットの会社Figure AIの創業者、ブレット・アドコックだ。チョウドリーはアップルでiPhone Airのデザインを率いていた。カード番号やパスワードは暗号化した保管庫に入れ、Harkによると、同社自身も中を見ることはできない。

機能はどれも無料で利用できる。たくさん使いたい人には、月20ドルで無料の2倍、月100ドルで10倍まで利用できるプランがある。アプリはiPhoneとAndroid、ウェブにあり、日本のApp Storeでも配信されている。対応言語には日本語も入っている。

チョウドリーは、いまのAIの使われ方にも首をかしげる。「AIがあって、チャットボットがあるのに、キーボードで打ち込んでいる。本当に笑ってしまう」

Harkは2027年に、スマホにつながなくても携帯の回線で利用できる専用の端末を出す予定で、米通信大手のAT&Tが出資している。