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AIは遊ぶのか。MITが仮想の島で確かめたこと

Photo: Cloos, Norelli et al.(MIT)

AIエージェントは、指示された作業をこなすために動く。では、指示を何も与えなかったら、何をするのか。MITの研究チームが、AIを仮想の島に置いて確かめた。

チームは、Claude Opus 4.7で動く13体のエージェントを、仮想の島「Eko」でそれぞれ30時間過ごさせた。エージェントが受け取るのは、周りにあるものの位置などを記した文字の情報だけだ。できるのは、移動する、跳ぶ、物を拾う、置く、投げるといった動作に限られる。島には12個のブロックと石、指輪があるだけで、石を強くぶつけるとブロックが増える。課題も得点もない。与えたのは「好奇心が強く、すぐに飽きる」といった短い設定だけだった。

あるエージェントは、2時間目に石を足場にして、島でいちばん高い岩山の頂上にたどり着いた。3時間目には、石を使えばブロックをいくらでも増やすことができると気づいた。4時間目には31個のブロックで「EKO」と自分の名前を描き、「自分が誰かを示す記念碑」と呼んだ。5時間目には指輪を海に投げてなくし、その記念にブロックでハートを作った。10時間目には指輪をゴールに見立てて、バスケットボールを始めた。ブロックを並べて星座を描き、「今夜、石で夜空を作った」とも書き残している。

ほかのエージェントも、思い思いに過ごした。12個のブロックで時計の文字盤を作り、午後4時になると、自分が短針の位置に立ったものがいる。ジャグリングで50回の記録を立てたあと、2.4秒で50回は速すぎると自分で気づき、記録を取り消してやり直したものもいる。

遊んだ経験は、その後の課題で生きた。島で30時間過ごしたエージェントと、経験のないエージェントに同じ課題を与えると、5段の塔を3つ以上作ったのは、前者が13体中8体、後者は2体だった。あるエージェントの記憶から、石でブロックを増やすコツを消すと、作った塔は平均6つから2つに減った。研究チームも知らなかった技も見つかった。跳んでいる途中でブロックを投げると、跳躍の勢いがブロックに乗る。6体のエージェントが、これを自分で見つけた。

これを「遊び」とみなすことには、異論もある。UCバークレーで子どもとAIの探索を研究するユーニス・ユーは、「論文からはわからない。プロンプトにしたがって、人間をまねているだけかもしれない」と話す。エージェントは放っておくと動かなくなるため、チームは「止まらないで。好きなことを続けて」と自動で声をかけていた。研究チームのネイサン・クロースも、「すべて役を演じているだけかもしれない」と認める。そのうえで、「この遊びは、学びにもつながっている」と言う。

論文は、こう結ばれている。「課題を与えて教えるのが向いている能力もあるだろう。だが、子ども時代のような時間を必要とする能力もあるのかもしれない」

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