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Claudeが中身は同じまま2つの名前に分かれた。 前より最大25%の値下げ

Photo: Anthropic

AIに長い資料を読ませて仕事を任せるほど、月末の請求は膨らむ。やり取りが続くかぎり、前に渡した文章を毎回読み直させる分まで料金がかかるからだ。AnthropicがClaudeの新しいモデルとして、Claude Fable 5.1とClaude Mythos 5.1を公開した。2つは中身がまったく同じモデルで、違うのは安全装置の強さだけだという。なぜ同じものに、2つの名前を付けたのだろうか。

Fable 5.1は、トークンで課金される典型的な使い方でFable 5よりおおむね25%安くなる。エージェントに長く任せる使い方では、下げ幅が最大で約45%に届く。

なぜ同じモデルに2つの名前が付いたのか

2つは同じモデルで、違いは危ない使われ方を止める安全装置(セーフガード)の設定だけだ。Fable 5.1は誰でも使えるが、Mythos 5.1は審査を通った利用者にしか渡されない。

Mythos 5.1の安全装置は、サイバーセキュリティと生命科学の仕事を支えるために設計したとAnthropicの発表は書いている。端末での作業を解かせる試験Terminal-Bench 4.0では、Mythos 5.1が60.9%、Fable 5.1が55.8%だった。この差は、これまでの粗い安全装置が途中で止めていた課題の分で、今回の改良で差は小さくなる見込みだという。

安全装置そのものも作り直した。無害な内容まで止めてしまう誤検知を、サイバーセキュリティの分野で6割減らしたとしている。背景には、Fable 5.1をソフトの弱点探しに使えるようにした変更がある。見つけた弱点を突く攻撃コードを書かせる用途は、引き続き認めていない。

生物学では、米政府と組んだ利用枠を用意した。Mythos 5.1の生物学の能力を研究者に開くもので、登録の受付を近く始めるとしている。

4年以上見つからなかったバグをClaudeが突き止めた

米国の投資会社ミレニアムの検証では、100万回に1回ほどしか起きない異常終了の原因をFable 5.1が突き止めた。社内の技術者が4年から5年のあいだ説明できず、ほかのモデルも外していた不具合だという。外部から買ったソフト部品を人が読める形に戻し(逆アセンブル)、異常終了のときに残るメモリの記録と突き合わせて、その部品のバグにたどり着いた。

こうした作業を測る試験Terminal-Bench-Science 0.1で、Fable 5.1の正答率は52.6%だった。前の版のFable 5は24.7%で、2倍以上の開きがある。同じ試験をAnthropicが自社で計測したところ、Opus 5は29.0%、比較対象のGPT-5.6 Solも22.4%にとどまったという。

Claudeの料金が25%下がるのはどこか

値下げしたのは、一度処理して保存した入力をもう一度読ませる部分だ。この単価が下がったため、トークンで課金される典型的な使い方ではFable 5よりおおむね25%安くなる。

やり取りが長くなるほど、モデルは前に渡した資料や会話を読み直す。毎回すべて送り直せば料金はかさむため、処理済みの入力を保存しておく仕組み(キャッシュ)が用意されている。エージェントに長く任せる作業ほど読み直しが増え、下げ幅は最大で約45%に届くとAnthropicは説明する。

かける労力の設定でも費用は変わる。Fable 5.1はLowやMediumに落としても、Fable 5と同等かそれ以上の結果をはるかに低い費用で出せるという。初期値はClaude CodeでHigh、Claude CoworkとClaude.aiではMediumに設定されている。

AI開発支援のDevinを作るCognitionは、Opus 5に流していた処理を公開初日にFable 5.1へ移すと発表の中のコメントで述べている。新しいキャッシュの料金なら、Opusに残していたコードレビューのような作業もFable級のモデルで採算が合うという。

データをAnthropicに預けずに使えるようになる

企業向けに、データをAnthropic側へ渡さずに使う仕組みが今秋から段階的に始まる。データは顧客が管理するクラウドに置かれ、Anthropicは手元に残さない。

Enterprise Frontier Safeguards(EFS)と名づけたこの仕組みは、悪用を防ぐ監視と、データを預けない運用を同時に成り立たせるために作られた。置き場を顧客側に移せば、保持ゼロと同じプライバシーを保ったまま監視を続けられるとAnthropicは説明する。EFSが行き渡るまでのあいだは、条件を満たす顧客がデータを保持しない形でFable 5.1を使える。

4年以上誰も説明できなかったバグを解く道具が、前の版より安い値段で並んだ。同じ中身のもう一方は審査を通った相手にだけ渡され、生物学分野の研究者はこの秋、Mythos 5.1の利用登録を始めることになる。

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