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出遅れていたメタが、AIの「最前線」に戻ってきた

Photo: Meta

AIの性能の最先端を競っているのは、ChatGPTのOpenAI、Claudeのアンソロピック、Geminiのグーグルだ。フェイスブックやインスタグラムを持つメタは、この争いで後れを取っていた。そのメタが10月12日、各社の最上位に並ぶというAIを発表した。

発表したのは「Muse Wonder」と、その上位版の「Muse Wonder Full」の2つのモデルだ。メタが公開した実演では、Muse Wonderがブラウザーやいくつものアプリを行き来しながら、頼んだ人の好みや都合に合わせて土曜日のランニングの計画を立てる。インスタグラムに載せた写真をもとにオリジナルのグッズを作って注文したり、細かい条件の付いた結婚式の席次表を作ったりもする。

メタが売りにするのは記憶力だ。Muse Wonderは、利用者が以前の会話で話した好みや事情を覚えておき、別の日に頼まれた用事にも生かす。同社の研究者カヴィヤ・コッパラプは、発表の動画で「あなたにとって大事なことを、何日、何週間、何か月たっても覚えていられるよう、大変な力を注いだ」と話している。

もう一つの特長は、作業を途中で止めないことだ。手順がうまくいかなくても、別のやり方を試して先へ進むことができる。メタでAIを率いるアレクサンドル・ワンによると、レストランの予約や空き状況の確認のような用事でつまずかないように作ったという。ワンは米CNBCの取材にこう話す。「現実の用事をこなそうとすれば、どこかで必ず壁にぶつかる。そこで止まってしまうのではなく、別のやり方を試し、いつでも利用者に確認を取りに戻れるように訓練した」

性能は、メタ自身の試験で、OpenAIの最上位のGPT-6 Astraや、アンソロピックのClaude Fable 5.1と肩を並べたという。調査会社アーティフィシャル・アナリシスによる性能ランキングでは、Muse Wonder FullがFable 5.1を上回り、アンソロピックの最上位のOpus 5.5に次ぐ位置につけたとメタは説明する。記憶力を測る試験では、そのどれよりも高い点を取ったという。

メタは昨年8月、AIの開発の体制を一から組み直した。率いるのは、AIの学習用データを手がけるScale AIを創業したワンだ。今年4月に最初のモデル「Muse Spark」を、先月には利用者に代わって用事をこなすアプリ「Muse」を出した。MuseはアップルのApp Storeで首位に立った。Muse Wonderは、オハイオ州に建てた巨大なデータセンター「Prometheus」で学習させたという。

Muse Wonderは近く、Museのアプリにも搭載される。アプリは無料だが、まずは月20ドルか100ドルの有料プランの利用者が対象だ。開発者向けには、AIにプログラムを書かせるサービス「Muse Code」と、自社のサービスにAIを組み込むためのAPIで提供を始めた。最上位のWonder Fullを使えるのは、月50ドルか200ドルでMuse Codeを契約した人だけだ。

メタは今後、Muse Wonderをもとに、Museを使う誰もが使えるモデルも作っていくという。