MCPとは何か
MCPは、AIアプリを外部のデータや道具につなぐときの決まりを1つに揃えた規格だ。Model Context Protocol の頭文字で、公式サイトは機器をつなぐUSB-Cの端子にたとえている。
つなぐ相手には幅がある。手元のファイル、データベース、検索や計算の道具、決まった手順を書いた指示文まで入る。道具やデータを差し出す側をサーバー、つなぎにいくAIアプリの側をホストと呼ぶ。サーバーが差し出したものを、AIアプリが必要なときに呼び出す形になる。
仕様はMITライセンスで公開されている。版はバージョン番号ではなく日付で表され、互換性を壊す変更が入った日を示す。いまの版は2026年7月28日付だ。
APIと何が違うのか
APIは相手ごとに作法が違い、MCPはその作法を1つに揃える。APIだけでつなぐなら、AIアプリは対応したい相手の数だけ書き分けることになる。
MCPは、その書き分けをなくす側に立つ。サーバーの側が決まった形で道具を並べておけば、対応するAIアプリのどれからでも同じ呼び出し方で使える。公式サイトは、Claude や ChatGPT のようなAIアシスタントと、Visual Studio Code や Cursor のような開発用の道具が対応していると挙げている。
道具を作る側から見ると、1回対応すれば、対応済みのAIアプリすべてから使われる形になる。
ブラウザの上でも同じ考え方が試されている
同じ考え方をウェブサイトの側へ持ち込む提案が、グーグルのWebMCPだ。サイトが決済や検索を道具として登録しておき、エージェントは画面のボタンを探すかわりに、その手順を呼び出す。
いまのエージェントは人の手つきをまねて画面を操作するので、ボタンの位置や名前が変われば、そこで止まる。WebMCPは2026年5月18日に公開され、8月7日に内容が更新された提案段階の仕組みで、試せるのはChromeだけだ。
対応が増えると何ができるようになるのか
AIアプリが自分の画面の外に出て、持ち主のデータを読み、手を動かせるようになる。公式サイトは、予定表やメモにつないで秘書のように使う例、デザインからウェブアプリを作らせる例、社内の複数のデータベースにつないで会話で分析する例を並べる。
エージェントを動かす土台の側も、道具を取り替えられる部品として扱う作りに寄っている。DeepSeek が8月13日にMITライセンスで公開したDeepSeek Harnessは、モデルもツールも画面もすべてが差し替えのきく部品だ。
道具の呼び方を1つに揃える動きは、ブラウザにも、エージェントの土台にも広がりつつあるようだ。